東亜建設工業は、6月2日、富士化学と共同で、高い強度を発現可能な恒久型薬液(特殊シリカ液)を開発し、また、信幸建設および富士化学と共同で、同薬液の専用混合プラントを開発したことを発表した。
今回開発した薬液は、「バルーングラウト工法」といわれる、液状化対策を目的に開発した「薬液注入工法」にて使用。今後は、側方流動対策として提案していくとされる。
なお、千葉県袖ヶ浦市埋め立て地での実証実験では、バルーングラウト工法により14%濃度の本薬液を地盤へ注入。改良体の出来形および現地改良強度を確認したという。
(画像はプレスリリースより)
南海トラフ地震、首都直下型地震などの地震を想定した岸壁・護岸の側方流動対策では、地盤条件によっては、比較的大きな改良強度を求められるケースがある。
新開発された薬液は、従来の恒久型薬液に緩衝剤を添加することで、シリカ濃度が高い場合でも、安定的な調製ができるだけでなく、砂地盤への浸透性も優れているのが特長だ。
また、今回開発した専用混合プラントは、攪拌翼の替わりに特殊攪拌体を使用することで、混合槽内の薬液を均一にすることができ、シリカ濃度が10%を超える高濃度の薬液の調製が可能になったという。
東亜建設工業では、バルーングラウト工法研究会を設立しており、品質と性能の向上を目指した薬液および施工方法の改良・改善に取り組んでいる。
今後はバルーングラウト工法の特長を活かし、高強度恒久型薬液の拡大展開を目指す構えだ。
▼外部リンク
東亜建設工業・プレスリリース
http://www.toa-const.co.jp
富士化学・ホームページ
http://www.fuji-chemical.com/index.html
信幸建設・ホームページ
http://www.shinko-con.co.jp/index.html