住友精密工業株式会社(以下:住友精密工業)は、23日、同社の戦略的パートナーであるイギリスのCompactGTL社(以下:CGTL社)が、カザフスタン共和国において、世界初となる小型GTLプラント(小型石油随伴ガス液化装置)の建設を計画していることを発表した。
小型GTLプラントは、原油掘削時に排出される随伴ガスを処理して、軽油(ディーゼル燃料)を生産するもの。
住友精密工業は、他の日本企業とも協力し、小型GTLプラントの主要な機器となるリアクター(反応器)を供給することになっている。同社は、すでに、今年初めに、ステンレス製熱交換器事業用工場を新設。主要生産設備の導入も完了した。
この計画は、今年3月、CGTL社の小型GTLプラントの開発・商用化実現を、カザフスタン政府がサポートするという協力覚書締結に基づくもの。
CGTL社は、同国政府協力のもと、商用小型GTLプラントを3年かけて設計・建設する予定。2017年の稼動を目指す。
カザフスタン共和国は、埋蔵量において世界第12位の産油国だが、原油掘削時に排出される随伴ガスが環境問題となっている。
計画中のプラントは、1日あたり最大82万立方メートルの随伴ガスを処理し、3000バレルの軽油を生産することが可能。同国の地方ハイテク産業を創出するという経済的効果だけでなく、環境に与える負荷の低減も期待されている。
また、今後、環境負荷低減対策として、小型GTLプラント開発・商用化のプロセス自体の市場拡大が予想されるほか、ブラジル・ペトロブラス社の洋上プラント向け等、他の案件の進展が見込まれるという。
▼外部リンク
住友精密工業製リアクターを搭載する小型GTLプラントの商用化
http://www.spp.co.jp/news_list/pdf/140523_spp_release.pdf
住友精密工業株式会社
http://www.spp.co.jp/