飛島建設は4月22日、「TDRショットライニングシステム」が、日本下水道新技術推進機構の建設技術審査証明を得たと発表した。
「TDRショットライニングシステム」はシールドトンネルの覆工技術で、飛島建設、電気化学工業、エムシーエムの3社が共同で開発にあたった。
最近のシールドトンネルでは急曲線部や、分岐部が増えており、これらの箇所には鋼製セグメントが使われる。かぶりがわずかしかないにもかかわらず、他の箇所と同様の薄さが求められるため、これまでのコンクリート打設では十分な強度の確保が難しかった。
(画像はプレスリリースより)
そこで開発されたのが「TDRショットライニングシステム」で、二次覆工に「充てんモルタル」と「仕上げモルタル」を吹き付けた後に、左官仕上げでライニングを形成する。
「充てんモルタル」として、収縮の少ないプレミックスモルタルを開発。硬化促進剤を圧縮空気に混ぜることで、モルタルがしっかりと充てんできるようにした。
「仕上げモルタル」には、耐硫酸性の高いプレミックスモルタルを用い、これまでの工法では難しかった鋼製セグメント内や、鋼製セグメントと覆工仕上がり面との間も充てんできるようにした。これにより、急曲部や分岐合流部など、複雑な箇所の施工が簡単になった。
建設技術審査では「施工性 」、「充てん性 」、「時間当たりの吐出量
」、「耐硫酸性」、「接着性 」、「強度発現性」、「ひび割れ抵抗性」、「剥落抵抗性」が審査され、要求性能を十分に満たしていることが認められた。
「TDRショットライニングシステム」は平成20年に開発され、既に10現場で10,000平方メートルの実績を上げている。
▼外部リンク
飛島建設株式会社のプレスリリース
http://www.tobishima.co.jp/news/news140422.html