大林組は3月28日、新開発の「フローアップクリート」を発表した。現場で流動化剤を添加するだけで、普通コンクリートを瞬時に高流動化させることができる。
建物の耐震性を高めるために過密配筋の構造物や、CFT造(コンクリート充てん鋼管構造)の採用が増加している。特にCFT造は、2002年の国土交通省告示により、通常の確認申請が可能となったため、様々な施設での採用が進んでいる。
しかし普通コンクリートを使う場合、流動性を高めるためにはセメントの混合量を多くする必要がある。混合量の多いコンクリートはひび割れしやすく、CO2排出量も増加する。
また、高強度コンクリートの製造プラントには大臣認定が必要であることや、コスト面での負担増など、様々な課題があった。そこで大林組が開発したのが、流動性の高い「フローアップクリート」である。
(画像はプレスリリースより)
「フローアップクリート」の主な特徴は3点。まず、全国どこの現場にも供給できる「汎用性」。2点目は、優れた「流動性」。3点目は、「CO2を削減」できることだ。
普通コンクリートに流動化剤を加える流動化コンクリートでは、唯一、CFT造に適用可能。現場で流動化剤を添加するだけで製造できるため、普通コンクリートが供給可能なすべての地域で使用できる。
流動性指標は、スランプ18cmの普通コンクリートがスランプフロー約25~30cmであるのに対し、「フローアップクリート」は50~60cmと優れた流動性を誇る。コンクリート打設時の「締め固め」作業も不要。効率的な施工を実現した。
コンクリートの温度上昇も少ないためひび割れがしにくく、CO2排出量を最大約20%削減できる。コスト面でも高強度コンクリートに比べて、最大約10%の節約が可能だ。
▼外部リンク
株式会社大林組のプレスリリース
https://www.obayashi.co.jp/press/news20140328_01