最先端の高温性能を備えたSiCパワーMOSFET
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、3月17日、太陽光発電システム用インバータ、電気自動車、企業内コンピュータ・システム等のアプリケーションの電力効率を向上させる新製品を発表した。
業界最高の温度定格(200℃)を達成した高耐圧SiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETを製造。SiCは、シリコン・パワー・トランジスタを通過する際のエネルギー損失を50%低く抑えることができる。
(画像はプレスリリースより)
効率の向上と設計の簡略化を実現
バルク電源で一般的な半導体スイッチをSiCデバイスに置き換えた場合、データ・センターのエネルギー効率が向上し、2015年までに50億ドル以上の節約と3,800万トンのCO2削減が可能になるという。
また、SiCパワーMOSFETは、太陽光パネルからのDC出力を高電圧ACに変換して主電源に供給し、IGBTよりも高い周波数で動作させることができる。従い、電源内部の他の部品を小型化できるとともに、電源の低コスト化にもつながる。
さらに、温度特性が向上したことにより、車両冷却システムの設計簡略化に貢献できるのが特徴だ。
6月に量産開始
STの新しいSiCパワーMOSFET(1,200V耐圧)であるSCT30N120は現在サンプル出荷中で、顧客にはSTオリジナルのHiP247パッケージで提供されるという。
なお、量産開始は6月を予定し、単価は、約35米ドル(1,000個購入した場合)としている。
▼外部リンク
STマイクロエレクトロニクス・プレスリリース
http://prtimes.jp/
STマイクロエレクトロニクス・ホームページ
http://www.st-japan.co.jp/