新日鉄住金エンジニアリング株式会社は、振り子の原理と鉄の技術を利用した球面すべり支承「NS-SSB」を開発し、建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得したことを発表した。
NS-SSBは、地震等の揺れ・エネルギーを大きく、ゆっくりと吸収(長周期化)する高い免震性能を実現し、従来の免震システムの課題を解決する4つの特長を有するという。
(画像はニュースリリースより)
まず、1つ目の特長は、従来の免震システムが複数の免震装置を組み合わせて長周期化を実現していたのに対し、NS-SSBでは、鉄製スライダーが、球面のすべり板上を「振り子の原理」で元の位置に回復することで、単一の免震装置で建物の長周期化を実現する。
2つ目は、「鉄」で構成されているため、地震等のエネルギーを受けた際に建物が揺れる固有周期が、すべり板の球面半径のみで決定され、建物自体の重量や、積載荷重等の影響を受けない点だ。これにより、設計で意図した建物固有周期の実現が容易になる。
(画像はニュースリリースより)
3つ目は、個々の免震装置の性能が安定し、「ばらつき」が少ないことだ。そのため、設計で意図した建物固有周期を確実に実現できる。
4つ目は、すべり板の「直径」のみで免震システムの稼動範囲(限界変形性能)が決定される点で、これにより、最も効率的で最適な免震装置及び免震層の設計が可能となる。
振り子の原理を利用した免震装置は、欧米等海外では普及しているが、日本の建築基準法に適合し、中規模以上の建物に利用可能な装置は、これが国内で初となる。
▼外部リンク
振り子の原理と鉄の技術を利用した新しい免震装置
http://www.eng.nssmc.com/news/detail/210
新日鉄住金エンジニアリング株式会社
http://www.eng.nssmc.com/