アキレスは今年より、インフラ分野の事業強化に力を注ぐ方針だ。1月1日に新組織「開発営業部」を立ち上げ、まずはトンネル補修技術「アキレスTn-p工法」の受注拡大を目指す。
2012年の笹子トンネル天井板崩落事故以来、老朽化トンネルの安全性への関心が高まっている。50年を経過した道路トンネルは2011年で18%、20年後には約50%に急増するため、インフラ設備の老朽化対策は急務となっている。
政府もインフラ強化を中心とする事前防災事業を推進させるために、「国土強靭化基本法」の成立や、「国土強靭化政策大網」を決定。2014年度の公共事業関係費は、前年度比13%増の5兆9,685億円が予算として組み込まれた。
(画像はニュースリリースより)
高度経済成長期にはたくさんのトンネルが作られてきたが、覆工コンクリートの背面には空洞が多く見られる。空洞を放置したままでは、豪雨や地震の際に被災確率が高まり、最悪の場合にはトンネル崩落にもつながりかねない。
「アキレスTn-p工法」は覆工コンクリート背面の空洞に、発泡ウレタンを充塡して補修する「事前防災工法」として開発された。
ノンフロンでありながら40倍もの高倍率発泡を実現し、充塡材の密度は1立方メートルあたり約30kgと、セメント系注入材の30分の1程度の超軽量を誇る。圧縮強度も1平方ミリメートルあたり、約0.2N。トンネル背面空洞の充塡材として十分な強度を有する。
注入設備の小型化と充塡材の高倍率発泡により、1日に必要な設備と材料を1台のトラックに全て積載することが可能になった。
(画像はニュースリリースより)
施工車両と施工人員が少なくすむので経済的な上、片側通行で作業が行えるため、安全性の向上にも貢献できる。固化時間は10分程度。高速で固まるので、覆工コンクリートの亀裂から材料が漏れにくい。
低コストで安全性の高い「アキレスTn-p工法」の評価は高く、今年度の実績見込み件数は昨年度比2倍以上に急増した。
▼外部リンク
アキレス株式会社のニュースリリース
http://www.achilles.jp/news/2014/0225.html