三菱重工業は、2月19日、スウェーデンのリングハルス電力(Ringhals AB)から、加圧水型原子力発電プラント(PWR)の主要機器である加圧器の管台(ノズル)取替工事を受注したことを発表した。
リングハルス原子力発電所は、同国第2の都市ヨーテボリの南方約60kmにあり、設置されている原子炉4基のうち2~4号機がPWR。そのうち、3号機(出力106万9,000kW)は1981年より稼働を開始している。
今回の工事はこの3号機につき、継手部分の合金を耐腐食性のより高いものに変更することで信頼性の向上をはかるというもので、工事の完成は2016年度の予定だ。
(画像はプレスインフォメーションより)
管台取替工事は、技術検証、認証試験、装置製作、材料調達および現地工事を請け負うものだ。
安全弁管台や逃がし弁管台など3号機の加圧器に取り付けられている6ヵ所の管台の継手部を、600系ニッケル基合金から、クロムの含有量が高く、高温・高圧下で優れた耐腐食性を示す690系ニッケル基合金に交換する。
なお、周りを囲まれた狭隘かつ放射線量の高い環境下での作業となるため、国内での工事経験を有する熟練した作業員を同国へ派遣し、施工する予定だ。
三菱重工業は、これまでリングハルス電力に、取替用上部原子炉容器3基と、取替用原子炉制御棒駆動装置1式を納入した実績、さらに、日本国内のPWRで手掛けた20件以上の加圧器管台取替工事などが高く評価され、今回、受注に至ったものだとしている。
PWRプラント機器のリーディングカンパニーとして、今後とも国内外における既存原子力発電プラントの主要機器や部位の取替工事商談を積極的に開拓し、電力の安全・安定供給に貢献していく構えだ。
▼外部リンク
三菱重工業プレスインフォメーション
http://www.mhi.co.jp/news/story/1402195497.html