丸紅株式会社(以下、丸紅)と株式会社東芝(以下、東芝)は、6日、両社が出資する共同事業体を通じ、タイ国バンコク市の都市鉄道「パープルライン」向けの鉄道システム、および、10年間のメンテナンス事業を受注したことを発表した。バンコクの都市交通に日本製の車両が採用されるのは、これが初めて。
「パープルライン」は、バンコク市内のバンヤイからバンスーを結ぶ、全長約23キロメートルの新規路線で、タイ国運輸交通局が日本政府の円借款を活用し、2016年の開通を目指して建設を進めているもの。バンコクメトロパブリック社が同局から鉄道運営を受託、タイ大手建設会社のチョーカンチャン社が建設を担当する。
(画像はニュースリリースより)
今回納入する、鉄道システムは、車両、信号・運行監視設備、変電設備、通信設備などのシステム一式で、チョーカンチャン社と契約する。納入する鉄道車両は63両。東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)グループの、株式会社総合車両製作所が製造する。
メンテナンス事業は、「パープルライン」の運営会社・バンコクメトロパブリック社と契約。東芝、丸紅、およびJR東日本などが共同で事業会社を設立し、軌道・駅設備を含めた鉄道施設一式のメンテナンス事業を10年間行う。鉄道運営会社を含めた日本企業連合が、海外での鉄道メンテナンス事業に参画するのも初めてのケースである。
これまでに、丸紅は、フィリピン、ベネズエラ、ドバイ等における鉄道ターンキープロジェクトの実績を、東芝は、台湾高速鉄道プロジェクトなどの実績をもつ。両社は、これにJR東日本グループの総合的な鉄道技術を合わせて、「パープルライン」がバンコクの交通問題の緩和や、地域経済の発展に役立つよう、取り組んでいくとしている。
▼外部リンク
バンコク都市鉄道システムおよびメンテナンス事業の受注について
http://www.marubeni.co.jp/news/2013/release/00100.html