独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)は、10日、官民連携で取り組む、PPP(Public Private Partnership)インフラ事業に関し、民間からの提案に基づいて事業計画策定を実施する「協力準備調査(PPPインフラ事業)」において、8件の調査案件を採択したことを発表した。(採択案件は下記外部リンク「協力準備調査採択案件一覧」を参照)
この制度は、平成22年度より開始されたもので、日本政府の重要政策課題である、民間企業の強みをいかしたインフラシステム輸出の具体的推進策のひとつとしても注目を集めている。
「協力準備調査(PPPインフラ事業)」制度は、ODA資金の活用を前提としたPPPインフラ事業の提案を、民間法人から公募し、当該提案法人にJICAが調査を委託するもので、調査費用のうちJICAが負担する上限は1億5,000万円。官民双方の役割分担を含むPPPインフラ事業全体を対象に、事業化に向けた計画策定を行うことを目的としている。
今回は、タイに関する案件が初めて採択され、支援対象国が拡大。スマートシステム技術の活用、風力発電事業、地方自治体と連携した水道改善事業などの新たな取り組みが含まれている。
また、JICAは、インドの空港案件や、東南アジア地域における道路、工業団地、都市開発などが、日本の「インフラシステム輸出」として、政府施策推進に貢献するものとなっているとみている。
新興・開発途上国のインフラ整備事業においては、世界的に官民協働の動きが拡大している。JICAは、案件形成の初期段階から官民連携で取り組み、適切な役割分担を策定することが重要であるとし、今後も、調査制度を活用・改善しながら、民間セクターの資金や活力を効果的に引き出し、いかす役割を担っていくとしている。
▼外部リンク
協力準備調査採択案件一覧
http://www.jica.go.jp/press/2013/ku57pq00001jwtvr-att/
民間提案型のPPPインフラ事業調査で、8件の採択を決定
http://www.jica.go.jp/press/2013/20131010_02.html
独立行政法人国際協力機構(JICA)
http://www.jica.go.jp/index.html