大林組など、国際宇宙ステーション/「きぼう」日本実験棟における実験の試験体を回収

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大林組など、国際宇宙ステーション/「きぼう」日本実験棟における実験の試験体を回収

2018年03月06日 15:00

宇宙インフラ建設への活用の視点からカーボンナノチューブの損傷度合いを検証

2018年3月2日、株式会社大林組(以下、大林組)は、国立大学法人静岡大学、有人宇宙システム株式会社と共同で、航空宇宙産業向け先端材料カーボンナノチューブ(以下、CNT)の宇宙環境曝露(ばくろ)実験(以下、同実験)における試験体を回収し、損傷度合いを検証したと発表した。

同実験は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の「簡易曝露実験装置」の利用テーマとして採択されたもので、国際宇宙ステーション(以下、ISS)/「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームを利用している。

大林組は、CNTの利用を想定した未来の宇宙インフラ建設構想(宇宙エレベーター建設構想)を発表しており、宇宙曝露環境におけるCNTの耐久性を検証するために同実験を開始した。

カーボンナノチューブ実験の概要

CNTは、鉄筋の4分の1~3分の1という高い軽量性、引張強度が鉄鋼の約20倍、高弾性力、高電流密度耐性が銅の100倍以上、高熱伝導性が銅の5倍以上など、多くの優れた性質を持つ材料であり、宇宙機・航空機の構造体、圧力容器や自動車の配線材料などへの適用が考えられている。

また、鉄筋コンクリート造などで鉄筋の代替利用や橋梁を支えるケーブルなどの建設用材料として、柱や梁を断面最小化し、構造物を軽量化する効果が期待できる。

同実験で使用したCNTは、高品質で長尺なより糸の形状で、直径約20ナノメートルの多層カーボンナノチューブ繊維をより合わせたもので、回収した試験体を電子顕微鏡で確認すると、ISS進行方向の前面で曝露したものが背面で曝露したものよりも大きく損傷していた。

さらに、背面で曝露期間の違う試験体を比較したところ、損傷程度に影響が少ないことも判明し、強度試験を実施したところ、前面・背面ともにCNTより糸の引張強度の値が曝露前より低下しており、前面の方がより大きな低下を示したとのこと。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20180302_1

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