2018年2月27日、五洋建設株式会社は、従来のカルシア改質土(以下、従来改質土)に比べて靱性を高めた繊維補強カルシア改質土(以下、同繊維補強改質土)を開発し、一般財団法人沿岸技術研究センターが実施する港湾関連民間技術の確認審査・評価事業において、評価証を取得したと発表した。
従来改質土は、軟弱な浚渫土と、転炉系製鋼スラグを成分管理・粒度調整した材料であるカルシア改質材を混合した材料で、強度発現・濁り発生抑制・アルカリ抑制等の特徴があり、埋立材や浅場・干潟の基盤材、藻場造成材、深掘跡の埋戻し材等に幅広く使用されている。
同繊維補強改質土は、従来改質土に、カルシア改質土にポリエステルやポリプロピレン製の短繊維をカルシア改質土の体積の0.1~1%添加混合した材料だ。
同繊維補強改質土は、従来改質土と比較して残留強度が増大して靭性が高い材料で、適切な配合設定により、一軸圧縮強さqu=100kN/平方メートル以上・透水係数k=0.00000001m/s以下にできる。
このため、変形への追随が求められる底面遮水材、一定の強度と遮水性が必要な遮水シートの先端部、地盤改良を行わない潜堤のクラック発生を抑制した潜堤材や、吸出し防止シートでは破損の危険性がある場所での吸出し防止材等など、従来改質土とは異なる場所へ適用できる。
また、短繊維が加わることにより、従来改質土よりも流動性が小さくなるが、実規模の施工性確認実験により、混合・圧送・打設が可能であることを確認しており、施工においては、従来改質土と同様に、バックホウやミキサを使用して、浚渫土・カルシア改質材および短繊維を混合した後、グラブやトレミー打設等により海中に投入することを想定している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
五洋建設 ニュースリリース
http://www.penta-ocean.co.jp/news/2018/180227.html