2018年2月26日、株式会社竹中工務店は、超高層集合住宅に最適な制振構造「THE制振ダブル心柱(Takenaka High-grade Earthquake resistant system)」(以下、同制振構造)を開発したと発表した。
同制振構造は、住戸部分に耐震壁やブレースが不要であるため、自由度の高い住居レイアウトが可能であるうえに、免震構造で必要とされる大きな変形クリアランスを確保しにくい敷地や狭小敷地において建物を超高層化(高アスペクト比)することも可能になる。
「THE制振ダブル心柱」の概要
同制振構造は、2つの「心柱」と「制振層」からなる全く新しいタイプの制振構造で、超高層集合住宅内部の立体駐車場の壁を下部心柱とし、立体駐車場の上部空間に上部心柱を設け、2つの心柱の大きな変形差を制振層のダンパーでエネルギー吸収するシステムだ。
このため、住居部分にかかる地震の力を最大50%程度低減して、住居部分の柱・梁等の損傷を抑えるとともに、上階での加速度を約30%軽減して、家具や什器等の転倒を防ぐことが可能だ。
また、制振層のダンパーは、変形の大きさに併せて、一般のオイルダンパーから同社開発の世界最大規模大減衰力ダンパーや、長周期地震等の繰り返し変形に強いFMS合金ダンパー等、様々なダンパーを組み合わせることで、最適な制振設計が可能であり、少数のダンパーを集中配置することで、制振装置のライフサイクルコストを低減できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2018/02/03/index.html