2018年1月15日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、サウジアラビア海水淡水化公社(SWCC)と共同で、省エネルギー型海水淡水化技術の実証事業(以下、同実証事業)を実施することに合意し、2017年12月11日に基本協定書(MOU)を締結したと発表した。
サウジアラビアは降雨量が少ないため淡水資源が乏しく、慢性的に水不足で、都市部に供給する水の大部分を海水淡水化に依存している。
しかしながら、これまでの海水淡水化の主流である蒸発法は、石油や天然ガス等の化石資源を燃焼させ海水を熱し、気化した水(淡水)を再度冷却して淡水を得る方法で、多くのエネルギーを必要とするため、少ないエネルギーでより多くの淡水を生産する技術が求められていた。
そこで、NEDOと民間企業・大学等が国内で確立した省エネルギー型の海水淡水化システム「Mega-ton Water System」(以下、同プロジェクト)を活用した実証事業をサウジアラビアで開始することとなった。
同プロジェクトでは、省エネルギー型の海水淡水化技術である「低圧多段高収率海水淡水化システム」(以下、同システム)を確立した。
同システムは、蒸発法に比べエネルギー消費量が少ないとされる逆浸透膜法(RO膜法)より、エネルギー消費をさらに約2割削減することが可能とのこと。
同実証事業では、今後3年間で同国ウムルジに日量1万トンの飲料水を海水から生産する設備を建設し、同国の飲料水質基準を満たす水を安定的に生産できることを検証するとともに、同システムが、省エネルギー化と建設コスト低減などで従来のRO膜法に比べ優位であることを実証する。
なお、実証規模の委託予定先は株式会社日立製作所と東レ株式会社になる。
(画像はプレスリリースより)
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NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100892.html