従来工法の引張側にPC鋼棒の引張耐力を付加
2017年12月18日、株式会社竹中工務店は、木質ブレース(筋交い)の中にPC鋼棒を通し、PC鋼棒に引張力を負担させることで、従来工法に較べて約2倍の耐力を確保できる耐震補強工法(以下、同新工法)を開発したと発表した。
木材(集成材)のブレースをコイルばねの圧着力でRC造およびSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造の骨組内に固定する工法T-FoRest Lightにおいて、集成材のみで構成された従来工法の木質ブレースは、圧縮力が作用する側のみが有効で、引張力が作用する側では効いていなかったため、負担できる水平耐力が100t程度だった。
新しい耐震補強技術T-FoRest Lightの概要
同新工法では、集成材にPC鋼棒を通したブレース構造になっており、引張力に対しても有効であるため、従来工法に比較して約2倍の水平耐力を確保できることとなった。
なお、木質ブレースは、低騒音・低振動化に有効的で、人の手で簡単に、短工期で施工できるうえに、木材は、重量の約半分が空気中の二酸化炭素から作られた炭素でできているため、地球温暖化対策にも貢献する。
また、同新工法は、2018年5月に着工し、2019年3月に竣工する有馬ビューホテルの耐震改修工事に適用する予定だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2017/12/07/index.html