戸田建設株式会社と古河ロックドリル株式会社は12月5日、山岳トンネル工法(NATM工法)における軟弱地山の天端安定対策として開発した「フォアプレート工法」を、施工中の二車線道路トンネルに初適用した、と発表した。
低強度で軟弱な地山の天端安定対策には、一般的にボルト等を斜め前方に打設する充填式フォアポーリング工法が使用されているが、削孔水を使用するため、地山をさらに緩める恐れや、孔壁が崩れモルタルの充填不足やボルトの挿入が困難になる、などの課題があった。
戸田建設は、フォアプレート工法を開発し、これらの課題を解決した。
フォアプレート工法では、ドリルジャンボのガイドセルに特殊改良を加えた「鉄矢木打撃装置」を使用し、天端斜め前方に鉄矢木を打設する。鉄矢木を直接、地山に挿入する工法のため、削孔水を使用する必要がない。
作業員は、安全な場所で鉄矢木をドリルジャンボにセットし、オペレータが機械操作で鉄矢木を打設するため、切羽前面で作業する必要がなくなり、安全である。
機械装置により、1工程で鉄矢木を設置できるため、施工サイクルが短縮され、打設完了と同時に天端安定効果が現れる。
鉄矢木打撃装置の有効性、適応性、施工能力等を確認するため、施工中の二車線道路トンネルに適用した。
1本あたりの鉄矢木の打設時間は、準備と片付け10分を含め73分で、充填式フォアポーリング工法による施工時間136分、の約半分の時間に短縮できた、という。
また、工費も1本あたり1,500円で、充填式フォアポーリング工法の2,200円より低コストであった、とのこと。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
戸田建設株式会社のニュースリリース
http://www.toda.co.jp/news/2017/20171205_02.html