大成建設、伝統木造建築用の高性能木造耐力壁を開発

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大成建設、伝統木造建築用の高性能木造耐力壁を開発

2017年11月23日 11:00

建築様式に適合した耐力壁により、一般建築物と同等以上の耐震性能を確保

2017年11月22日、大成建設株式会社は、伝統木造建築用の高性能木造耐力壁を開発し、日野山徳恩寺(神奈川県横浜市)本堂と、九品仏淨眞寺(東京都世田谷区)閻魔堂の新築工事に適用すると発表した。

寺の本堂や鐘楼などの伝統木造建築は、重厚な瓦屋根を支えるための壁が少なく、大地震の大きな揺れに耐えられない構造であるため、大地震において倒壊などの被害を受けている。

このため、伝統木造建築を建替る場合には、文化財を除き、耐震性の高い鉄筋コンクリート部材を用いる工事や、全部は建替えずに、部分的に木造や鉄骨造で耐震改修工事を実施している実情だ。

そこで、同社は、一般建築物と同等以上の耐震性能を確保できる新たな木造耐力壁を2種類開発した。

木造耐力壁の特徴

「T-WOOD真壁」は、寺の本堂のような重厚な屋根を支えて現行の耐震基準に則るために、壁板(厚物構造用合板)を長いビスで片側から打ち抜いて壁を繋ぎ留めるとともに、柱に高強度のPC鋼棒を配して耐震性能を大幅に向上させている。

このため、耐震設計上必要となる壁の全長がおよそ1/3に軽減され、従来は表裏それぞれの合板を別々に留めていたのが、片面からのみの施工になって、使用する釘の本数が減るとともに、施工手間も省ける。

同真壁は、2018年4月に着工予定の、7間×7間の広間に適度に開口部を有し、外周回廊に向かって開放的な空間を備えた日野山徳恩寺本堂に適用される。

一方、「T-WOOD組み板壁」は、金物を全く使用しないで柱の溝に壁板を嵌め込んで構築する、昔ながらの伝統的な「落し込み板壁」工法を改良した高耐力の壁で、柱に2種類の深さの溝を設け、板の配置を交互にずらして嵌め込むことで、従来工法に較べ約2倍の剛性と耐力を得ることができた。

同板壁を九品仏淨眞寺の閻魔堂に適用し、2018年7月の竣工に向けて工事を進めている。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/

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