レンズダンパー推進協議会・技術委員会の日本鋳造株式会社・飛島建設株式会社・鉄建建設株式会社・青木あすなろ建設株式会社・西松建設株式会社・他1社は、「レンズダンパー」(以下、同ダンパー)の特長を生かしたRC造間柱への取付け構法を新たに考案し、特許を出願したと発表した。
地震荷重下における建物の応答低減機構として、様々なエネルギー吸収ディバイスが開発されているが、特に、間柱(まばしら)型ダンパーは、開口部を塞ぐことなく設置できるため、様々な建物に採用されている。
同ダンパーは、低降伏点鋼を用いた履歴型ダンパーで、中央部の両面を凹レンズ状に削り取られた形状のため、ひずみがパネル全体に平均化され、安定した履歴を得ることができ、地震の揺れを再現した繰返しにも耐えられる。また、フランジがないため、一枚板の薄い形状であり、設置スペースが抑えられる特長がある。
しかしながら、RC造建物のRC造間柱に同ダンパーを設置する際に、鉄骨造間柱と異なり、直接ボルトによって取付けができない問題があった。
同ダンパーののRC造間柱への取付け構法として、PC鋼棒により軸力を導入してRC造間柱のひび割れを抑制しながら取り付ける「PC鋼棒型」、長ナット付きアンカーボルトを用いて取付ける「アンカーボルト型」、およびレンズダンパーの薄い形状を生かしてRC造間柱中央部に嵌込む「嵌込み型」、の3種類考案した。
なお、2017年8月1日に、上記の取付け構法に関する特許を出願した
また、3種類の取付け構法の実大試験体を作成し、構造性能確認試験を実施した結果、いずれの試験体も、最大水平荷重に達するまで、取付け部での損傷が見られず、十分な制震効果を発揮することが確認された。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鉄建建設 トピックス
http://www.tekken.co.jp/topics/assets/171107_lensdamper.pdf