NEDO、カタールで高温排海水を用いた海水淡水化実証事業を開始へ

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NEDO、カタールで高温排海水を用いた海水淡水化実証事業を開始へ

2017年10月25日 04:00

省エネ・低環境負荷型の造水システム確立を目指す

2017年10月20日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、カタール電力・水公社と共同で、高温排海水を用いた海水淡水化実証事業(以下、同実証事業)を実施することに合意し、10月19日に開催された日・カタール合同経済委員会の機会に基本協定書(MOU)を締結したと発表した。

同国北部のラスラファン工業都市では、共通取水設備から海水を取水し、各プラント設備の冷却用水として活用した後、最高45度程度で共通放水路により海に放出しているが、同実証事業では、この排海水を独自の低コスト型の逆浸透膜法(以下、RO膜法)に用い、省エネ・低環境負荷型の海水淡水化システムとして実証する。

なお、従来のRO膜法では長期安定してろ過可能な海水温度の上限が35℃程度であり、また、ペルシャ湾岸の海水は濁質や有機物の濃度が高いため、RO膜の目詰まりを防止する前処理段階での薬液の注入や、排水の処理などで、プロセスが複雑化し造水コストが増大することが課題であった。

実証事業の概要

同実証事業では、新たに開発した「無薬注砂ろ過」という前処理方法を導入することで、薬液の注入が不要となるため、設備が簡素化されてプラント建設費が低減する上に、RO膜が安定的に稼働して海水を処理する。

また、既に設置されている共通取排水設備を活用し、建設コストを10%以上削減するとともに、海洋工事による海洋環境破壊がないため、建設許可取得も容易となる。

なお、同実証事業の委託予定先は、三菱重工業株式会社と三菱商事株式会社で、実証規模は、造水量1,50立方メートル/日となる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100862.html

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