超高層建物では、周辺構造物や周辺地盤への影響を考慮し、工期短縮効果を目的として逆打ち工法を多く採用
2017年10月13日、株式会社大林組は、逆打ち工法(さかうちこうほう)における逆打ち支柱の建入れ精度を自動で正確に計測できるシステム「ストレートキーパー」(以下、同システム)を開発したと発表した。
逆打ち工法とは、地上階の工事と並行して、最下階を掘削して梁・床を構築していく工法で、工期が短縮される特徴があるが、地下階の梁・床を支える逆打ち支柱の建入れ精度が確保できない場合、周囲の躯体を補強する、あるいは支柱を引き抜いて建入れ直すなどを行う必要がある。
このため、従来は、主に傾斜計を用いて精度を管理していたが、大深度化工事で支柱が長大になると傾斜計から下方までの距離が長くなり、計測誤差が発生することがあった。
「ストレートキーパー」の概要
同システムは、逆打ち支柱に沿って設置した仮設のガイド管上方にカメラ式の鉛直器を設置し、ガイド管最下部に設置したターゲットの撮影画像から、支柱の建入れの精度を自動で正確に計測できる。
また、ガイド管内でターゲットを撮影するので、作業中の孔壁の崩壊を防ぐために掘削する杭孔に常に満たされた安定液中でも自動計測が可能で、途中で支柱の断面形状が変化しても対応できる。
さらに、装置の傾きを検知する傾斜計も備えているため、コンクリートの打設による振動を受けた場合などでも、リアルタイムに鉛直軸を補正し、高精度かつ安定に計測できる。
(画像はプレスリリースより)
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