岡山県のライフデザイン・カバヤ株式会社は17日、今秋完成予定となっている「オリジナルCLTコア構法」の概要を発表。あわせて今年11月に予定されている、筑波の防災科学技術研究所における振動台実験のモデル図を公開した。
この構法は、京都大学の五十田博教授、広島大学の森拓郎准教授、銘建工業株式会社、BXカネシン株式会社および株式会社構造計画研究所が参画する共同技術開発によって編み出されたもの。緻密に計算された配置によってCLTを適所に配置、開放的かつ自由な間取りを実現しつつも、構造強度への影響を抑えることができるのが大きな特徴だ。
国内におけるCLTをとりまく状況をめぐっては、CLTパネル工法を用いた建築物の一般的な設計手法等に関する一連の告示が、2017年3月31日・4月1日に交付・施行された。これに伴い、日本農林規格において定められているCLT相当の「直交集成板」を導入し、各種建築に取り組む動きも出始めている。
一方でライフデザイン・カバヤによれば、現在におけるCLT工法は必ずしもCLTパネルのポテンシャルを十分に発揮できているとはいえないため、過剰な金物・CLTを消費してしまい、結果として構造体にかかる費用が膨らんでしまう傾向にあるという。
今回の「オリジナルCLTコア構法」では、構造強度を維持しつつもCLTを適切に配置し、間取りの自由さを実現させるための工夫として、これまでにCLT工法を採用して建てられた建物でみられがちな汎用金物(クロスマーク金物)の使用を避け、オリジナルで開発したCLT専用金物を採用した。
これにより、一般的な在来軸組工法耐力壁1枚あたりの壁倍率「5倍」に対し、CLT専用金物を使用したCLTパネル1枚あたりの壁倍率は「20倍」の数値をたたき出すことに成功。また接合部における金物の露出を避けられるため、CLTを現わしで利用する、木の風合いを生かした意匠に対応可能な点もメリットとなっている。
ライフデザイン・カバヤによれば現在、CLTの厚さは5層5プライを中心に開発が進められており、耐火建築の性能が要求される高層階を目標に、木造ビルの建築も検討中であるとのことだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
ライフデザイン・カバヤ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000026371.html