2017年7月7日、新日鐵住金株式会社(以下、新日鉄住金)は、同社が展開するスチールハウス工法(NSスーパーフレーム工法)の4階建て用に開発した「高強度耐力壁」(以下、同耐力壁)の用途を拡大させていると発表した。
「高強度耐力壁」とは、構造用面材に、従来のセラミック系面材の代わりに、高耐食性めっき鋼板「スーパーダイマ」を使用し、さらに鋼板面にバーリング孔加工を施したもので、地震エネルギー吸収能力が大幅に向上している。
なお、同耐力壁は、名古屋工業大学の小野徹郎名誉教授、佐藤篤司准教授の協力を得て、新日鉄住金とNSハイパーツ株式会社(以下、NSハイパーツ)が共同で開発した。
同耐力壁を4階建て以外の用途に適用することで、スチールハウス工法のさらなる進化が図られる。
同耐力壁を用い、天井高の高い平家構造を設計できる「構造評定」を2015年3月に一般財団法人日本建築センターより取得し、壁高さ4.5m、1区画1000平方メートルまでの大空間の設計が可能となった。
この評定は、新日鉄住金が君津製鉄所に設置した保育所「かずさみどりのもり保育園」に採用され、柱や壁がない見通しの良い保育室が実現できた。
また、3階建てスチールハウスにも同耐力壁の適用が可能な評定を2017年2月に取得し、壁量及び金物を削減することで、設計自由度を拡大しコスト削減につなげることが可能となった。
この評定は、2017年10月着工予定の新日鉄住金君津製鉄所・独身寮に初採用される。
さらに、NSハイパーツは、同耐力壁に用いているバーリング孔付鋼板面材を、部分的に木造住宅の壁に設置する「制震デバイス」を開発した。木造住宅のリフォーム用耐震補強部材として期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
新日鉄住金 プレスリリース
http://www.nssmc.com/news/20170707_100.html