劣化しない高速道路床材を開発
西日本高速道路(NEXCO西日本)と三井住友建設は6月29日、腐食しない新材料を用いた「超高耐久床版(Dura-Slab)」を開発したと発表した。
高速道路橋は経年劣化に加え、交通量や車両総重量の増加、凍結防止剤の散布、沿岸部での塩害などによる劣化対策も必要だ。
そこでNEXCO西日本では老朽化や劣化が顕著となった高速道路をリニューアルする大規模プロジェクトに、2016年から取り組んでいる。今回の開発は、このプロジェクトにおける、鉄筋コンクリート床版の取り替え工事への適用を目指したもの。
鉄筋やPC鋼材ではなく、腐食しない新材料を緊張材に採用
Dura-Slabの主な特徴は、次の3つである。
第1は、鉄筋の代わりに高強度繊維補強コンクリートを使用し、PC鋼材の代わりにアラミドFRPロッドを使用してプレストレスにすることで、腐食劣化の可能性を排除したこと。
第2は、床版の構造。橋軸直角方向に水平リブを用い、さらにアラミドFRPロッドによるプレストレスにして床版厚を約2割薄くして、軽量化を図った。
第3は、鋼材の腐食が原因のコンクリート片のはく落など第三者被害の心配がないこと。さらに、軽量化による耐震性と既設桁の疲労耐久性の向上によって、将来の維持管理の人材やコストの削減も可能となった。
今後は、飛来塩分や凍結防止剤散布による鋼材の腐食環境が厳しい本線構造物の更新用部材として活用していく。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
西日本高速道路株式会社、三井住友建設株式会社のプレスリリース
http://www.smcon.co.jp/2017/062919423/