幹線道路・鉄道の早期開通に向けた急速施工が求められている長距離山岳トンネル
2017年06月08日、西松建設株式会社とタグチ工業株式会社は、連続ベルトコンベヤシステムの先端設備を切羽進行に追従するよう前進させ、ずり搬出時間を最大で30%以上削減することを可能とする高速ずり搬出システム(以下、同システム)を開発したと発表した。
長距離山岳トンネルのずり処理では、坑内の環境や安全面を考慮して、連続ベルトコンベヤを採用することが多いが、飛石等による損傷を避けるため、先端設備(クラッシャー)を切羽から60m程度以上離す必要があり、この間のずり運搬に時間を要して、掘進速度が低下する一因となっていた。
「高速ずり搬出システム」の概要
同システムは、「移動式発破防護バルーン」、「自走式クラッシャー」および「スライド式テールピース台車」によって構成されている。
「移動式発破防護バルーン」は、トンネル断面を密閉し、飛石や粉塵の分布を切羽付近に限定させるための装置で、切羽で発生したずりをベルト幅の1/3程度以下の大きさに破砕して排出する装置である「自走式クラッシャー」と切羽の離隔距離を、30m程度にまで短縮することが可能だ。
また、「スライド式テールピース台車」は本体部とスライド部により構成され、スライド部のみが独立して前進することにより、連続ベルトコンベヤシステムを延伸することなく、「自走式クラッシャー」を切羽進行に追従させることが可能だ。
このため、自走式クラッシャーと切羽の離隔距離を一定に保ち、ずり搬出時間を最大30%以上削減できる。
(画像はプレスリリースより)
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西松建設 ニュースリリース
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