NEDO、三菱マテリアルとチノー、省エネ効果を高める高精度温度計測システムを開発

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NEDO、三菱マテリアルとチノー、省エネ効果を高める高精度温度計測システムを開発

2017年05月25日 17:00

セメント製造用実物キルンで検証、誤差25度範囲内の大幅な精度向上に成功

2017年5月24日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、NEDOプロジェクトにおいて、三菱マテリアル株式会社(以下、三菱マテリアル)と株式会社チノー(以下、チノー)が、セメントロータリーキルン(回転式窯)内の過度な熱エネルギー使用を低減し、省エネルギー効果を高める高精度温度計測システム(以下、同計測システム)を開発したと発表した。

新たな省エネルギー技術開発の一つとして、セメント製造設備のロータリーキルン内で焼成されたクリンカを適正な温度に保つことで、石炭等の熱エネルギーの過度な使用を抑制するために、より高精度な温度計測技術が求められていた。

そこで、NEDOプロジェクトにおいて、高ダスト濃度環境下のセメントロータリーキルン内で温度計測できる高精度計測システムを開発した。

同計測システムを実物キルン内で検証した結果、従来の温度計測では誤差がマイナス150~マイナス60度程度であったが、ほぼプラスマイナス25度範囲内に収まり、精度が大幅に向上した。

なお、ロータリーキルンとは回転式の連続高温焼成装置で、クリンカとは石灰石・粘土・珪石・鉄原料等の原料を、キルンで焼成してできる大きさ数センチメートルの塊状物質。石こうと共に粉砕してセメントが製造される。

高精度温度計測システムの概要

同計測システムでは、新たに開発した2台の高性能放射温度計を使用し、キルン出口のクリンカ温度、それに近い落口金物の温度を測定し、得られた2つの温度からクリンカ温度を算出する新アルゴリズム(ダストキャンセル法)を採用した。

なお、落口金物とはキルン出口の外周に耐火レンガを固定するために設置される構造体。

また、三菱マテリアルは、温度測定位置の最適化・温度算出モデルの高精度化・計測システムの耐久性の検証を行い、チノーは、指向性の高い高性能放射温度計の開発およびデータ収集・演算システムを開発した。

さらに、三菱マテリアルの共同研究先である岐阜大学は、温度算出モデルに必要なダストによる光の減衰を測定した。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100773.html

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