清水建設と三井化学産資、コンクリート構造物の万能薬「タフネスコート」を本格普及

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清水建設と三井化学産資、コンクリート構造物の万能薬「タフネスコート」を本格普及

2017年05月25日 13:00

タフネスコートの耐衝撃・剥落防止・保水・塩害防止・凍害防止性能を検証

清水建設株式会社と三井化学産資株式会社は5月22日、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に向上させる技術「タフネスコート」について、既に検証済みの耐衝撃性能、剥落防止性能に加え、新たに保水性能、塩害防止性能、凍害防止性能を検証した、と発表した。

あらゆるコンクリート構造物の維持・保全工事に適用可能

清水建設と三井化学産資は、2012年「タフネスコート」を共同開発した。

タフネスコートは、強度24N/平方mm、伸び性能200%のポリウレア樹脂。コンクリート構造物の表面に数ミリの厚さで吹き付け被覆すると、30秒で硬化し、30分程度で補強効果が現れ、耐久性が向上する。

タフネスコートの使用により、他の工法より工費を同額以下に抑え、工期を40~70%短縮することが可能である。

保水性能は、2体の鉄筋コンクリート立方形試験体の縁を接合し、2mm厚のポリウレアを吹き付け、試験体間に2~10mmの亀裂を発生させて検証した。結果は、一週間後であっても、漏水の原因になるポリウレアの破断は一切無かった。

塩害防止性能は、筒状容器の中央部を1mm厚のポリウレア樹脂で間仕切り、それぞれ蒸留水と3%食塩水で満たし、9か月にわたり塩化物イオンのコンクリート構造物への透過量測定を行った。

結果は、塩害対策指針(案)基準値の1/50~1/500であった。塩化物イオンは、100年たっても、コンクリート被り厚5cmのコンクリート構造物中の鉄筋には到達しないとのこと。

凍害防止性能は、2体の立方形試験体のうち1体に1mm厚のポリウレアを被覆、他方を無被覆で、凍結と融解の繰り返し試験を実施した。

結果は、無被覆の試験体が繰り返し420回時点で相対動弾性係数が当初値の90%を下回り、1mm被覆の試験体には変化が無かった。

これらの結果より、タフネスコートは、上水道用配水池や防火水槽等、臨海部や寒冷地におけるあらゆるインフラの維持・保全工事へ適用可能であることが検証された、という。

検証で得た結果を基に本格的な普及を目指す

日本内外には、膨大な量のコンクリート構造物が存在し、コンクリート構造物の耐久性を向上させるタフネスコートの市場性は無限大であるという。

清水建設と三井化学産資は今後、検証で得た結果を基に、タフネスコートの諸性能、施工の工期超短縮、施工コスト低減などのメリットをアピールし、本格的な普及を目指すとのこと。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

清水建設株式会社のニュースリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2017/2017008.html

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