2017年4月27日、JFEエンジニアリング株式会社は、同社と日本下水道事業団および川崎市の3者からなる共同研究体が、国土交通省の「平成29年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に「温室効果ガス削減を考慮した発電型汚泥焼却技術」を提案し、採択されたと発表した。
下水処理施設から排出される下水汚泥は、発生量の半分程度が焼却処分されているが、窒素分の燃焼により一酸化二窒素(以下、N2O)が多量に発生する。N2Oの温室効果はCO2の約300倍だ。
この課題を解決するため、同共同研究体は、「廃熱回収型高効率発電」と「局所撹拌空気吹込み(二段燃焼)技術」について、川崎市入江崎総合スラッジセンターで実証を行う。
この2つの革新的技術は、既存の焼却施設へ容易に追加することが可能だ。
採択技術の概略
「廃熱回収型高効率発電」は、独自に開発した小型高効率タービンを用いて、下水処理水を復水冷却に活用することで、高効率に発電し、自施設での使用電力を賄うことができる。国内の平均的な規模(約100ton/日)で、含水率が高いため発電が難しい汚泥焼却設備でも、適用可能だ。
また、「局所撹拌空気吹込み(二段燃焼)技術」は、焼却炉へ吹込む燃焼空気を二箇所に分けることで、効率よく下水汚泥を燃焼させ、N2Oの発生を半減できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
JFEエンジニアリング ニュースリリース
http://www.jfe-eng.co.jp/news/2017/20170427084532.html