国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで日立造船株式会社は4月24日、ベトナム社会主義共和国初の廃棄物焼却発電プラントの建設、試運転を完了し4月1日から実証運転を開始し、プラントのサイト内で竣工式を行った、と発表した。
ベトナムのハノイ市では、1日当たり約7,000tの生活ごみや産業廃棄物が発生する。HANOI URBAN ENVIRONMENT Co., Ltd.(URENCO)は、ハノイ市のナムソン処理場(Nam Son Waste Treatment Complex)で、5,000t以上を埋立処分しているが、敷地内の埋立面積は逼迫し周辺環境への悪影響が懸念されている。
NEDOは、ベトナムのエネルギー需給の逼迫と廃棄物処理問題の同時解決に貢献するため、2012年7月6日ベトナム天然資源環境省(MONRE)およびハノイ人民委員会(HPC)と基本協定書(MOU)を締結。
MOUに基づき、NEDOは日立造船にベトナムの産業廃棄物焼却発電技術実証事業を委託した。
日立造船は、産業廃棄物焼却炉として1日に75tの廃棄物を処理できるロータリーキルン・ストーカ式焼却炉を1基導入し、焼却によって得られる排熱を高効率に利用した1,930kWの蒸気タービン発電設備を併設した。
日立造船は、URENCOと共同で、ベトナム初の廃棄物焼却発電プラント(Waste-to-Energy Plant)の建設、試運転を3月31日に完了し、4月1日から実証運転を開始している。
実証運転では、1日75tの廃棄物を焼却処分して約10%の約7.5tまで減容化し、排熱を回収して一般家庭約5,000世帯分に相当する1930kW規模の発電を行う。
実証運転を2017年9月末までの6か月間行い、各産業廃棄物の種類に適した処理方法を検証し、プラントの実用性や省エネルギー技術としての有効性を実証する予定である。
(画像はプレスリリースより)
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新エネルギー・産業技術総合開発機構のニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100760.html