従来工法に比べ約30~40%コストを低減
三井化学産資株式会社は4月21日、浅埋新システム「Geo-Mex R3」が、東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」の事務棟空調設備に採用されたと発表した。
「Geo-Mex R3」はさく井業者の森川鑿泉工業所と共同開発した、地中熱利用システムの施工コストを大幅に低減する工法。
三井化学産資が開発した熱交換効率に優れたパイプを用いることで、従来工法では地価100メート程度の掘削が必要だったが、「Geo-Mex R3」では30メートル程度の掘削でも十分な熱交換を実現する。
地中深く掘る必要が無いので、これまで地中熱利用の大きなネックとなっていた施工コストを、従来工法に比べ約30~40%低減できる。さく井業者が所有する小型の井戸掘削機でも施工できる汎用性の高さも特徴だ。
スマートタウン構想やZEBにも有効
一年を通じて温度が一定の地中熱は、夏は冷熱、冬は温熱として有効活用でき、節電や省エネが実現できる自然エネルギーである。
日本中どこでも利用でき、都市部では冷暖房システムによって発生する熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の抑制にも貢献するとして注目を集めている。
地中熱の活用はこれまで主に、ショッピングセンターや農業用ハウス、融雪、寒冷地の住宅などで採用されてきたが、スマートタウン構想やZEBを実現させるためにも有効なエネルギーであるため、今後は更なる採用の拡大が期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三井化学産資株式会社のプレスリリース
http://www.mitsui-sanshi.co.jp/pdf/news_170421.pdf