飛島建設など、練上がり温度を自動制御する吹付けコンクリート製造設備の性能を確認

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飛島建設など、練上がり温度を自動制御する吹付けコンクリート製造設備の性能を確認

2017年04月22日 11:00

厳冬の寒冷地において安定した温度でのコンクリート製造を実現

2017年4月20日、飛島建設株式会社と株式会社原商は、岩手県宮古市区界の国土交通省東北地方整備局の岩井地区道路トンネル建設工事(以下、同トンネル工事)に適用した「スマートバッチャープラント」(以下、同プラント)が、厳冬の氷点下20度の環境で、目標練上がり温度25度のコンクリートを安定して製造できたことを確認したと発表した。

同トンネル工事は、2016年度にアメダスで観測された最低気温が氷点下19.5度に達する寒さの厳しい環境にあるため、目標練上がり温度25度を温水の加水のみで達成することは困難であった。

そこで、同トンネル工事では、スマートバッチャープラントにより、ベルトコンベヤ上で搬送中の骨材を高温の蒸気で加温することで、1回の練混ぜに必要な量を効率的に加温できた。

この結果、スマートバッチャープラントが吹付けコンクリートの「品質向上」と施工費の「コストダウン」を同時に達成できる技術であることを確認できた。

「スマートバッチャープラント」の概要

スマートバッチャープラントとは、吹付けコンクリートの練上がり温度を自動制御して、練混ぜ材料の性能が最大限に発揮される一定の温度でコンクリートを供給する設備だ。

自動温度制御は、コンクリート材料である水・細骨材(砂)・粗骨材(砕石)を加温する機能、各材料の練混ぜ前の正確な温度と練混ぜ時の連続温度を計測する機能、および目標練上がり温度に合わせて冷水と温水の割合を自動調整する制御機能によって成り立っている。

同トンネル工事では、出荷されるコンクリートの温度を目標の25度前後に保持でき、吹付けコンクリートの全バッチの練上がり温度がばらつくのを抑制できることが確認された。

この結果、圧縮強度が15%向上したことが確認され、付着性状が安定したため、施工時の急結剤添加率を1.8%、余吹き率を24%それぞれ低減できた。なお、急結剤とは、コンクリート温度が低い場合、付着性状や初期強度が低下するため、それらを確保するために添加するもの。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

飛島建設 プレスリリース
http://www.tobishima.co.jp/news/news170420.html

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