日立造船は1日、スイスにおける同社の100%子会社Hitachi Zosen Inova AG(HZI)が、スウェーデンにおいてコンポガスプラントの建設工事を受注したと発表した。
発注元はスウェーデンにてバイオガス関連施設の建設、所有、運営を手掛けるE.ON Biofor Sverige ABで、同国ストックホルム県ウップランズ・ブロー市に、年間83,000トンの有機性廃棄物を処理可能な施設を建設。納期は2018年10月を予定している。
1999年に採択された「Landfill Directive(埋立て規制に関する指令)」にともない、EU諸国では埋立て比率を削減し、ごみ焼却発電やメタン発酵処理へ移行する動きが本格化。スウェーデンにおいても、化石燃料ゼロ社会を目指した温室効果ガス削減への取り組みが進められている最中だ。
こうした中HZIは2014年、スイスのAxpo Kompogas Engineering AGよりコンポガス事業を買収したことで、ごみ焼却発電プラントに加えコンポガスを複合させた提案が可能に。このHZIのコンポガス(Kompogas)は生ごみなど有機性廃棄物から微生物の働きによってバイオガスを発生させるとともに、廃棄物の堆肥化を行うものだ。
今回のプロジェクトにおいては、主に食品残渣や畜産系廃棄物からなる有機性廃棄物をもとに、これらを発酵させてバイオガスを生成。これをさらに精製することで、年間6,800,000立方メートルの高純度なメタンガスを作り出し、天然ガスの配管網へ供給する計画となっている。また発酵後の残渣についても、固形堆肥および液肥として農家への供給が行われる予定だ。
なお今回のプロジェクトは、HZIにとって初となるターン・キー受注案件で、かつスカンディナビア地域における初めてのコンポガスプロジェクトとなる。同社ではごみ焼却発電およびコンポガス、2つのプラント事業の相乗効果を引き出すことで、今後とも事業規模の拡大に取り組む構えだ。
(画像は日立造船Webページより)
▼外部リンク
日立造船 新着情報
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2017/03/002504.html