都市部の大規模木造建築を可能とする耐火集成木材
2017年2月20日、株式会社竹中工務店は、スギ材を採用した「燃エンウッド」について、建築基準法が定める1時間耐火構造部材の国土交通大臣認定を取得したと発表した。
このたびの開発は、カラマツを用いた「燃エンウッド」につづくもので、通常の建築確認申請手続きのみで、4階建て、もしくは最上階から数えて4階下の階までの木造耐火建築の建設が可能だ。
大規模な木造建築にスギの耐火集成木材を用いることで、間伐材や伐採適齢期の国産スギの有効活用に貢献する。
なお、同社は、新たな木材利用の取り組みに対して、2012年のエコプロ大賞農林水産大臣賞や、2013年の地球環境大賞国土交通大臣賞等を受賞している。
「燃エンウッド」の概要
カラマツを用いた「燃エンウッド」は、純木の「荷重支持部」、モルタルと木で構成された「燃え止まり層」、純木の「燃え代層」の3層で構成される耐火集成木材で、柱・梁などの構造部材に用いられる。
火災の際には、最外層の「燃え代層」が断熱性能の高い炭化層となって内部への燃焼進行を抑制し、モルタルとカラマツを交互に配置した「燃え止まり層」がモルタルで熱を吸収しながら燃焼を停止させて、中心部の「荷重支持部」を火災から保護する。
今回開発したスギを用いた「燃エンウッド」では、モルタルに代わり、流動性の高い石こう材を燃え止まり層に採用している。石こう材に内包される水分が蒸発し熱を吸収することで、モルタルと同等以上の耐火性能を有する。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
竹中工務店 ニュースリリース
http://www.takenaka.co.jp/news/2017/02/03/index.html