5年にわたってデータを蓄積
清水建設は、2月10日、中部大学工学部情報工学科(山下研究室)の協力を得て、建物の電力需要を高精度予測するシステムを開発したことを発表した。
開発にあたり、両者は東日本大震災で得た教訓のもと、5年にわたって同大学の施設群、全57棟における日々の電力需要をはじめ、気象、設備・施設の利用状況等に関する膨大なデータを蓄積してきた。
AIを活用して予測
新開発したシステムは、電力小売りやESCOといった電力関連事業の一層の収支改善と、施設・地域レベルのエネルギーマネジメントにおける更なる効率化に貢献するものと位置付けられる。
同社は、蓄積された膨大なデータの関係を、最新のAI技術である「ディープラーニング」により学習させ、直近1年分の日々の気象予測データや設備・施設の利用予定データから、翌日のピーク電力需要を予測させることに成功。
その結果、従来システムと比較して、AIによる予測誤差は3.6ポイント改善し、5.7%となった。
予測精度の高度化へ挑戦
電力需要の予測については、過小予測であった場合には、割高な市場電力の購入増になってしまう。一方、過大予測をした場合には、市場電力の恒常的な過剰購入となってしまい、従来システムにて電力需要を高精度に予測することは難しかった。
同社は今後、AIの内部構造や入力する学習データを細部にわたって調査し、予測精度を更に高めたい考えである。
(画像は清水建設のホームページより)
▼外部リンク
清水建設 プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2017/2016048.html