通水温度を自動制御しひび割れを確実に防止
三井住友建設は1月25日、コンクリート構造物における温度ひび割れ対策として「インテリジェントパイプクーリングシステム」を開発したと発表した。このほど東北地方で施工した大型水門工事のコンクリート壁に適用し、その実用性が確認されたという。
「インテリジェントパイプクーリングシステム」は、コンクリート構造物の施工時にコンクリートの発熱を抑制するパイプクーリング工法において、実際の施工状況に応じて通水温度を自動で制御するシステム。
目標温度を設定するだけで、完全自動制御
コンクリート構造物ではセメントと水が反応して熱を発し、温度ひび割れを起こす場合がある。ひび割れ防止対策は設計や施工計画の段階で決定するため、実際に施工がスタートした後に気象条件の変化などに対応できず、思うような効果が得られないケースも少なくない。
そこで、三井住友建設はあらかじめコンクリートに埋め込んだパイプに、水や空気を流して冷却するパイプクーリング工法に着目した。新たな制御システムでは事前に水温自動制御装置に温度応力解析によって得た制御目標温度を設定し、コンクリート打設後の温度を自動制御する。
このシステムによって施工時のコンクリート温度や外気温が変化しても、パイプクーリングの通水温度が適切に調節できるため、計画通りのひび割れ制御効果が得られるようになる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
三井住友建設株式会社のプレスリリース
https://www.smcon.co.jp/topics/2017/012518405/