熊谷組、超微粒子セメントの適用でトンネル坑内からの大量湧水の低減に成功

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熊谷組、超微粒子セメントの適用でトンネル坑内からの大量湧水の低減に成功

2017年01月26日 16:00

 

全国にも事例のない施工方法

熊谷組は、1月25日、ダムのグラウチング技術による「減水対策工」を実施した結果、トンネル坑内からの大量湧水を低減できたことを明らかにした。

同社は現在、鹿児島県発注の北薩横断道路 北薩トンネル(仮称)の工事を手掛けている。このトンネル工事のうち、出水工区では、掘削中に毎時最大1,200トンもの大量湧水に、また、トンネル貫通後も恒常的に毎時約600トンの湧水に見舞われた。

さらに、抗口から1,500~2,200メートルの区間では、湧水に高濃度のヒ素が含まれていることも判明したという。

超微粒子セメントを適用

今回、同社はヒ素を含む大量湧水を減少させるため、湧水箇所の地山を坑内から改良して、湧水量の減少を図る「減水対策工」を実施。

具体的には、トンネル掘削完了後、坑内からトンネル全周方向に、リング状の厚さ3メートルの地山改良ゾーンを形成し、遮水性の改良を図る「コンソリデーショングラウチング工」を採用した。

この工法は、従来のように、掘削前に行う工法ではなく、事例もなかったことから、同社では数々の試験データを収集。新開発の浸透性に優れた「極超微粒子セメント(日鉄住金セメント社製)」を材料とした薬液を注入することで、地山を改良することを決めた。

対策は成功

対策の結果、地山を改良することに成功。施工後の湧水量は、「減水対策工」を実施した100メートル区間で、毎時最大300トンあった湧水量を毎時40トン以下に低減することができたとされる。

また、地下水位は昨年8月、トンネルの上方約160メートルまで回復。これまで事例のなかった対策工による効果の有用性が、改めて確認された結果となった。

(画像はプレスリリースより)

 

▼外部リンク

熊谷組 プレスリリース
https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2017/pr_170125_1.html

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