鹿島建設、大和川線のトンネル工事に「アポロカッター」採用

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鹿島建設、大和川線のトンネル工事に「アポロカッター」採用

2016年10月07日 18:00

都心部でのトンネル工事に有効

鹿島建設は、9月28日に大阪府堺市で施工中の阪神高速大和川線常磐工区開削トンネル工事において、本線トンネルに接続する出口ランプ部を非開削で構築すると発表した。その開削作業に、矩形シールドマシン「アポロカッター」を用いた施工を行う。

この程、整備が進められている大和川線は、全長約9.7キロメートルの自動車専用道路。本工事はこのうち、堺市北区常磐町において最大掘削幅が38メートル、最大掘削深さが38メートルの本線開削トンネル350メートルと、出入口ランプ部の376メートルを構築するものである。

当初、出口ランプ部は開削工法による構築を予定していたが、大阪市内と直結するこのエリアでは、生活道路の定常的な通行止めが発生するなど近隣住民への影響が大きい。そのため、非開削工法による構築への変更が余儀なくされ、矩形シールドマシン「アポロカッター」が採用されることになった。

立坑部から小土被りでの発進。下り8パーセントの急勾配での掘進作業ということもあり、地上部の影響を最小限に抑えるために、これまでの実績を考慮し、沈下抑制充填材「ボイドキーパー」を採用。地盤変状の抑制と線形精度の確保にも十分配慮している。

アポロカッター工法の特徴

従来、一般的なシールド工法では円形マシンが多用されているが、今回必要なトンネル空間を得るには掘削断面が大きくなり、この工事区間では不向きであった。そこで、掘削断面を最小限にしつつ、必要なトンネル空間の構築に適したアポロカッター工法となった。

アポロカッター工法の特徴は、矩形だけでなく任意の断面形状で掘削が可能。カッターヘッド、揺動フレーム、公転ドラムの3点で構成する掘削機構は、カッター位置の高度な制御により、精度の高い掘削断面が確保できる。

さらに、従来の大断面シールドに比べ小さなカッター部分と高速回転により、地盤改良体や改良土等の硬質な地盤においても良好な切削性を発揮し、安定したシールド掘削を実現した。

さらに、掘削に伴う地盤変状を最小限に抑える対策として採用されたのは、地山を保持する沈下抑制充填材「ボイドキーパー」。

この工事では、2液型の充填材を掘削直後のシールド周囲に現地で混練りし、注入する。オーバーカット部に注入した充填材は、シールド通過中は塑性流動性を維持して掘進の妨害を抑える。またシールド通過後は地山と同程度以上の強度の確保が図れる。

今後の展開

同社は、今後ますます複雑化する都市部の地下空間構築に向け、このアポロカッター工法を皮切りに矩形シールド・推進工法のラインナップの充実を図り、小断面から大断面まで、あらゆる都市部の地下空間構築のニーズに対応する、合理的な工法を提案したいとしている。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

鹿島建設 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201609/28c1-j.htm

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