日立造船は29日、京都市と熊本大学との共同で公益財団法人日本デザイン振興会「グッドデザイン賞」の「2016年度グッドデザイン賞」を授与されたと発表した。
今回受賞の対象となったのは、生ごみや紙ごみからバイオエタノールを製造する「都市油田」発掘プロジェクト。3者は環境省の補助金等を活用する形で、2011年度より2ヵ年にわたりこの「都市油田」発掘プロジェクトを実施してきた。
プロジェクト内では酵素と酵母による糖化・発酵技術を採用した実証プラント(処理規模1トン/週)を建設し、家庭や事業所から排出される「生ごみ」および「紙ごみ」からガソリン代替燃料となるエタノールを製造。結果として、エタノール(99.5%)をごみ1トンあたり約60リットル製造することができた。
また2013年からは、実証プラントの処理規模を5トン/週へ拡大。加えてエタノールを取り出した後の残渣物からメタンガスを製造するバイオエタノール・メタン二段発酵技術の実証試験に成功し、さらなるエネルギー回収が可能となっている。
日立造船は今回の受賞にあたり、これまでごみとして焼却処分していた「生ごみ」や「紙ごみ」を有用な資源として回収するコンセプトが評価されたとの見解を発表。また審査委員からは、有害物質を発生することなくごみから資源をつくることができる点、廃油などの回収と比べより簡易な分別でエネルギーを得られる点などが評価されたとしている。
中期経営計画においても「環境・グリーンエネルギー」を盛り込んでいる日立造船では、引き続きごみ焼却発電ならびにバイオマス関連の技術開発を積極的に展開していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
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日立造船 新着情報
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2016/09/002314.html