9月13日凸版印刷は、工場や倉庫などの屋内施設に加え、建設現場などの屋外作業向けに低コストで構築可能な作業者管理システムとして、Bluetooth技術を活用した、新たな作業者管理システムを開発した。
現在、あらゆるデジタル機器に使用されているBluetoothの機能を拡張させ、作業員の氏名や位置などの識別情報とカメラ映像を連動させた「BLE/NVR監視サービス」である。今年の9月に評価版の提供を開始し、来年3月には本格的に市場へ導入となる。
システムの特長は、個々に存在していた2つの通信技術、BLEによる位置情報とNVRの監視映像を連動させたことが、最も画期的である。
BLEとは、Bluetooth Low Energyの略。近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様で、Bluetoothの通信機能を持つモバイル端末の位置情報を特定し、情報配信する技術。NVRとは、Network Video Recorderの略。ネットワークカメラの映像をIPネットワーク経由で録画するシステムのことである。
具体的な活用事例として、建設現場へ監視カメラにBLEセンサーを組み込んだ装置を設置。作業者はID証として、カード型のBLE端末を携帯する。作業者がセンサーが近づくと自動的に検知し、何時に特定地点に誰がいたかを記録。タブレット端末やPCにてリアルタイムで確認。
さらにネットワーク監視カメラとの連動により、監視カメラの映像に、センサーが読み取った作業者情報を同時に表示させ、人物特定および確認を行う。なお、従来のICカードによる管理システムとは異なり、作業者がICカードリーダーにカードを読み取らせるなどの動作は必要ない。
従来のアクティブタグやWi-Fiによる管理システムと比較して、約50%コスト削減を可能にした。販売予定価格は、初期導入費用が200,000円から。ハードレンタル費用、月額30,000円から。サービス利用料は、1件(管理対象)あたり月額250円からとなっており、センサーの数や対象人数などによって価格は変動する。
開発の背景には、近年の建設業における社会保険未加入対策として、厳格な作業者の現場入退管理が求められている事や、工場などにおける安全性やセキュリティ向上のため、作業者の確実な位置情報の取得が求められている。
しかし、いざ導入となると、多数のセンサーやカメラを配置する必要があり、コスト面で大きな妨げになっていた。さらに従来の一般的な入退場管理システムでは、作業者にICカードなどをかざすなど特定の操作が必要なため、作業者の負荷になるなどの課題があった。
そこで、Pinmicro社の管理システムを含むBLEセンサーと、NEXPOINT社の独自の映像圧縮技術によるNVRシステムの優れた既存機能を活用する同サービスが登場した。連携を深める3社はサービスの拡販と関連受注を含め、来年度に売上で1億円を目指す。そして今後は、商業施設や医療施設向けの開発にも乗り出す構えだ。
(画像はプレスリリースより)
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凸版印刷 ニュースリリース
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