砒素含有汚泥を効率的に浄化
安藤ハザマは、8月25日、泥水式シールド工法にてトンネル掘削する際に発生する「自然由来砒素含有汚泥」を、効率的に浄化する技術を確立したことを発表した。
従来技術では、鉄粉剤を添加した後、攪拌混合処理をしていた。砒素が吸着した鉄粉剤の回収には、高磁力のレアアース磁石を用いた磁力選別装置が必要であり、この過程における時間とコストが課題として挙げられていたという。
新技術の概要
同社で研究を進めた結果、泥水への鉄粉剤の添加率が高いほど泥水の浄化時間短縮につながり、ドラム回転式磁力選別装置の鉄粉分離回収効率が上昇する特性があることが判明した。
具体的には、鉄粉剤の添加率を土砂重量の約8~10%に設定。また、磁力選別装置については、一般的なフェライト磁石を用いる低磁力タイプの装置で、従来と同様98%以上の鉄粉回収率を確保できたとされる。
結果、従来比、浄化処理時間は約2/3、磁力選別装置のコストは約半分となり、これまで以上の浄化処理の効率化とコストの削減に成功したという。
将来は大断面のシールドトンネル工事に適用
同社は、既にパイロット試験を終了している。
今後は、外径10メートル超の大断面のシールドトンネル工事を想定し、更なる規模の拡大、処理時間の短縮、コスト低減の実現を目指す方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
安藤ハザマ プレスリリース
http://www.ad-hzm.co.jp/info/2016/pre/