『T-Mダンパー』を開発
大成建設株式会社は8月24日、三菱重工メカトロシステムズ株式会社と共同にて、屋上設置型の高性能振子式大型制振装置『T-Mダンパー』を開発したと発表した。
制振性能を大幅に向上
また今年の6月には南海トラフ沖地震を想定した長周期地震動に関する大臣認定での運用強化が発表されたこともあり、長周期地震動対策は重要性が高まっている。
大成建設はこれまでも長周期地震動に着目し、直下型等の地震動に対して効果がある変位依存型オイルダンパーを用いた『T-RESPO構法』を開発、適用し、効果を実証した。
今回は長周期地震動特有の揺れではなく、より大きな低減効果を発揮することが可能な屋上設置型の高性能振子式大型制振装置『T-Mダンパー』を開発した。この装置は多段振子式装置を、地震の揺れ対策用に改良したものだ。
特徴としては錘が動く範囲を大幅に広げて約4mとしており、また設置するオイルダンパー数も増やしたことによって、地震エネルギーの吸収量を増大させ、揺れを効果的に低減することができるなど、制振性能を大幅に向上させた。
そのうえ装置1台当たりの性能を向上させたことにより、必要な装置台数を減らし、躯体補強を軽減するため低コストで設置できるようになる。
東北地方太平洋沖地震においては、長周期地震動によって震源から距離がある地域でも超高層建物が大きく揺れており、天井仕上げ材が落下するといったような被害が続出。それによって事業継続(BCP)で問題が生じていた。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2016/