三菱地所グループの丸の内熱供給は8月25日、東京都千代田区の大手町センターの移設工事に8月31日より着手すると発表した。約40年の稼働実績を誇る地域冷暖房施設において、業界初となる事業継続しながらの移設工事に取り組む。
東京都千代田区にある大手町センターは、地下トンネルを通じて冷気・蒸気などを大手町周辺地区の複数の建物群へ供給する、丸の内熱供給発祥、1976年竣工のプラント施設。同社によれば、大手町や丸の内、有楽町にあるほとんどのビルは同社供給による蒸気・冷水で冷暖房を行っているという。
こうした稼働状況もあり、同社では今回エネルギー供給を継続しながらの機能更新を実施。三井物産と三井不動産が実施中の国家戦略特別区域内特定事業「(仮称)OH-1計画」において、既存のプラントと隣り合う区画に新たなメインプラントおよびサブプラントを建設し、竣工後に切り替える計画だ。
新設するプラントでは、世界最高クラスの効率を誇るボイラー、ならびに業界最高効率となるインバーターターボ冷凍機を導入。またサブプラントにおいては街区の備蓄水槽を蓄熱槽としいて用いる。これらの仕組みにより、CO2排出量削減とピーク時間帯の電力負荷抑制に取り組む構えだ。
また刷新にあたり、防災対応能力を強化。各箇所に防水扉を備えて非常時におけるプラントの浸水を防ぐ。加えてメインプラントは2つの変電所からの電力供給を受け供給信頼性を向上させるとともに、万が一系統電力が止まった場合にもデュアルフューエル型非常用発電機が作動し、72時間は熱供給を継続できる仕組みが整備されるとのこと。
一方のサブプラントにおいても、非常時は「(仮称)OH-1計画」に含まれる建物より電力供給を受け、冷水の供給が行えるよう整えるという。これら設備の刷新を含む移設工事は8月31日にスタート。2020年の5月に竣工予定となっている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
丸の内熱供給 ニュースリリース
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