熱分解法
熱分解法とは、触媒を用いることなく、高温加圧下で炭化水素分子を分解する方法である。
原油に含まれる重質留分を、より沸点の低い炭化水素へと転化することを「分解」と呼ぶ。分解の方法には、熱分解法のほかに、接触分解法、水素化分解法がある。
熱分解法には、ガソリンの増収をはかるクラッキング法、残油の粘土を下げるビスブレーキング法、残油を軽質油とコークスに分解するコーキング法がある。
クラッキング法は、1913年に開発されたが、オクタン価が低い(ノッキングを起こしやすい)ため、1940年代以降はほとんど行われていない。
※触媒…特定の化学反応の反応速度を速める物質のこと。自身は反応の前後で変化しないものをいう。
※コークス…石油留分が加熱されて生成する炭素を主成分とする物質。
※ノッキング…ガソリンエンジンなどで起こる異常燃焼。金属製の打撃音を発する。