談合
談合とは、公共工事などの競争入札において、競争するはずの業者同士が、あらかじめ話し合って協定を結ぶことである。
具体的には、高い価格での落札や、持ち回りでの落札により、業界全体で利益を不正に分け合うなどの行為である。
公正な価格競争を害し、発注元の国や地方公共団体の支出を増やすこと、すなわち税金の無駄使いとなり、刑法で禁じられている。とくに、発注元の公務員などが協定に関与するものを「官製談合」と呼ぶ。
※競争入札…売買・請負契約などにおいて、最も有利な条件を示す者と契約を締結するために、複数の契約希望者に内容や入札金額を提示させ、内容や金額から契約者を決める方法である。
■談合が発生する理由
競争入札には、どの企業でも自由に応募できる「一般競争入札」と、発注側が入札できる企業をあらかじめ指定する「指名競争入札」がある。一般競争入札は、不適格な企業も参加できてしまうため、指名競争入札が行われることが多い。
指名競争入札では、入札に参加する業者名が公開されるため、業者が事前に集まって入札金額を相談したり、各社が順番に仕事を請け負えるよう同盟を組みやすくなる。これが、談合がなくならない一つの要因とされている。
■談合防止への対策
入札談合等関与行為防止法(2003年施行)により、公務員が入札談合に関与した場合、公正取引委員会が同法に基づいて所属機関に改善を求めることができる。
2005年には、独占禁止法が改正され(施行は2006年1月)、公正取引委員会が家宅捜査や書類の差し押さえができるようになり、全国の地方検察庁が談合の捜査を行えるようになった。
企業への対策としては「課徴金減免制度」がある。これは、入札談合やカルテル(企業間の不当な協定)に関わった企業が、公正取引委員会の立ち入り調査前に談合に参加していたことを申告すれば、課徴金を免除される制度である。2番目に申告した企業は、半分に減額される。この制度により、企業の申告が急激に増加した。