養生
養生とは、土木工事の中で打設が完了したコンクリートやモルタルを保護する、硬度と安全性を高めるための作業。
コンクリートは充分な硬度を持った状態になるまで、常に一定以上の温度と規定の水分含有量を保つ必要がある。また、冬季に打設した場合、気温によっては凍結してしまう危険もあるため、打設部分を保護する作業も「養生」と呼ぶ。
打設後のコンクリートの品質が低下する危険性の高い冬季の打設の場合、工場であらかじめ固めたコンクリートを組み立てる「プレキャスト工法(外での養生が必要ない)」などの手法が用いられることも多い。
■養生によって予防できる事象
・水分凍結により、必要な強度が得られなくなる
・大雨などによる水分過多状態による、強度低下・コンクリートが剥離する
・コンクリート表面に亀裂が発生する
■養生の手法の例
養生は、乾燥防止を目的とするのか水分量の保持を目的とするのかによって、様々な手法がある。
たとえば、以下のようなものがある。
・コンクリートの周囲をブルーシートなどで囲った上で、練炭やジェットヒーターなどを用いて付近の温度を最適に保つ。
・コンクリートの表面に膜養生剤(湿気と水分を通さないなどの特徴を持つ)を散布し、水分の蒸発を防止する。
養生の手法の呼び名は、乾燥を防ぐための「湛水養生」「散水養生」「皮膜養生」「保湿養生」や、水分含有量を保持するための「湿砂養生」「型枠残置養生」、寒冷地で養生を行う際に選択される手法である「吸熱養生」などがある。