真空式管路施設
真空式管路施設とは管路施設の一種であり、無重力の力を使って下水を輸送する方式である。真空式下水道システム、真空式汚水収集システム、真空下水ともいわれる。
■構成
真空式管路施設は、以下の設備によって構成されている。真空弁枡に集められた各家庭の下水は、空気と真空によってできる管路内の気圧差と、点在するポンプの引き上げる力によって下水処理場まで運ばれる。
・真空弁枡
下水を一時的に溜める、弁つきの槽。各家庭にひとつ設置されている。
・真空管路
緩やかな下り勾配に沿って造られた、内部が真空になっている管路。
・中継ポンプ場
下水を一時的に集め、ある程度の高さまで引き上げる施設。
以下の3つの設備から構成されている。
「真空ポンプ」…管路施設を真空にするための設備。
「集水タンク」…汚水を溜めるタンク。
「圧送ポンプ」…集水タンクから下水管に下水を送り出すためのポンプ。
■長所
・自然流下式よりも地形に左右されにくい(急な勾配を必要としない)ため、比較的場所を選ばずに敷設できる。
・軟弱な地盤でも敷設できる。
・自然流下式よりも工事費が安い。
・耐震性に優れている。
・動力用の電源も中継ポンプ場のみでしか使用しないため、敷設後のコストも比較的安く済む。
■短所
・小~中規模の下水収集にとどまり、大規模な収集には向いていない。
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