今すぐできる建設業の顧客満足【vol.1】定食屋と行列のできるラーメン屋の違いとは?

更新923

  1. 建設・設備求人データベースTOP>
  2. 施工管理>
  3. 施工管理のテクニック>
  4. 今すぐできる建設業の顧客満足【vol.1】定食屋と行列のできるラーメン屋の違いとは?

(4)今すぐできる建設業の顧客満足【vol.1】定食屋と行列のできるラーメン屋の違いとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

建設業は他産業と違って、一品生産である。
一品ごとにお客様の要望や欲求が異なるので、その都度確認しながら工事を進めないと満足してもらえず、業績も向上しない。

ここでは建設業における顧客満足について考えてみよう。
1回目となる今回のテーマは「顧客満足ってなに?」だ。

----------
登場人物:
地場建設会社 昭平建設
・青木 建一 現場担当 25歳
・今野 真一 係長 30歳
・武上 幸一郎 工事課長 40歳
・岩下 厳五郎 工事部長 50歳
----------

定食屋と行列のできるラーメン屋の違いって?

----------
青木「今野さん、『顧客満足を高めることが大切だ』とよく社長がおっしゃるのですが、顧客満足ってどういう意味ですか」
今野「文字通りお客様に『満足』していただくという意味だよ」
青木「『満足』っていうことばの意味が、今一つよくわからないのです。例えば私は、お昼ごはんを食べによく定食屋さんに行きます。そこでラーメンを食べるのですが、その時に『満足』を感じるかといえば、感じません。かといって、『不満足』かと言えばそうでもないのです」
今野「もしもラーメンを頼んだのに、牛丼ができてたらどうだ?」
青木「ラーメンを頼んで牛丼が出てくるのですか?あり得ないですが、もし仮にそんなことがあったら『なめてるのか』って怒りますね」
今野「それが『不満足』だ。ではラーメンを頼んでラーメンがでてきたらどうだ」
青木「当たり前だから何も感じませんが、一応『満足』ですね」
今野「ではいつも行く定食屋さんでなく、インターネットで話題の行列のできるラーメン屋さんに行ったとしよう。麺はコシがあり、豚骨スープはコクがあり、一度食べたら忘れられない味と評判だ」
青木「考えただけでよだれが出そうですね」
今野「ところが、出てきたら見るからに麺はフニャフニャ、スープはあっさりだったとしたらどうだ」
青木「それは『不満足』です」

今野「定食屋のラーメンはラーメンがでてきただけで『満足』だったのに、行列のできるラーメン屋では見ただけで『不満足』。その違いは何だろう。しかもメニューにも麺のコシやスープのコクのことは何も書いていないのに。」

青木「それは『期待』の大きさの違いですね。定食屋のラーメンに、味は『期待』していません。お腹が膨れればよいのです。しかし行列のできるラーメン屋には『期待』が大きいだけに失望も大きいですね」

今野「そうなんだ。つまり顧客が考える『期待』どおりだと『満足』、『期待』を下回ると『不満足』というんだ」
青木「では『期待』されない方が楽でいいですね」
今野「定食屋のラーメンはいくらだ?」
青木「400円です」
今野「行列のできるラーメン屋の値段は1000円だ。つまり『期待』の大きさが『値段』に反映されるんだ。青木くんのいうように『期待』されない方が楽だけど、その分値段もやすくなってしまう」
----------

建設業とラーメン屋との違いは?

----------
青木「それは私たちの仕事でも同じことですね」
今野「そうだ。お客様の『期待』が大きいほど顧客不満足になり、クレームにつながる可能性が高くなる
青木「私がよくお客様に叱られるのは『期待』が大きいということですね」
今野「例えば部屋の壁紙を貼ることを考えてみよう。壁紙の目地(壁紙を貼り合わせた部分)が斜めになっていたらクレームになるね」
青木「はい、以前壁紙の目地がずれていたので、お客様のクレームになり、剥がして貼り直したことがあります」
今野「でも目地をまっすぐに貼り合わせろなんて、図面には書いていないね」
青木「図面に書いていなくてもそれが、お客様の『期待』なのですね。」

今野「そうだ。コンクリートの面がきれいなこと、柱の木目が通っていることも『期待』だし、工事中の現場がきれいなこと、近隣の住民に騒音の迷惑をかけないことも『期待』されていることだ。これらに応えないと顧客満足はないぞ」

青木「ということは、お客様が何を『期待』しているのかを知る必要がありますね。」
今野「そのために、お客様と何度も何度も打合せをして話を聞く必要がある。建設業はラーメンや乗用車などと違って同じものは2つとないので、工事のたびにお客様の『期待』を確認しないといけない。しかもお客様の『期待』は変化するので、一度聞いたらそれで良いというものでもない。1週間に2度お客様に電話をして『期待』を確認する住宅会社もあるほどだ」
青木「1週間に2度ですか。それはすごいですね。私はせいぜい2週間に1回程度です」

今野「顧客満足は、顧客の声を聴くことから始まるんだ。これをマーケティングというんだよ。すべての仕事はマーケティングから始めると言っても良いくらいなんだ」
青木「なんだか心配になってきました。今からお客様のところにいって、『期待』を聞いてきます」
----------

顧客満足とは、顧客の期待を知り、それに応える工事をすることだ。
その期待は、紙に書いていたり、口頭で話してくれることもあれば、顧客が思っているだけのこともある。したがって、いろんな角度から、いろんなタイミングでお客様の話を聞くことが顧客満足の第一歩だ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

降籏 達生 ふるはた たつお

建設技術コンサルタント。ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役。
ハタ コンサルタント株式会社 http://www.hata-web.com/
映画「黒部の太陽」に憧れて熊谷組に入社。ダム工事、トンネル工事、橋梁工事などの大型土木工事に参画。阪神淡路大震災を契機に技術コンサルタント業をはじめる。
建設技術者4万人の研修・育成、1,000件を超える現場指導を手がけ、建設業界からの信頼が厚い。
編集長をつとめるメールマガジン「がんばれ建設~建設業業績アップの秘訣~(http://www.hata-web.com/mail_magazine.html)」は、読者数12,000人を誇る、日本一の建設業向けメルマガとなっている。