建設現場で広がるドローンの活用~測量や点検作業への大きな可能性~ | 建設・設備求人データベース

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建設現場で広がるドローンの活用~測量や点検作業への大きな可能性~

2016年02月15日

小型無人機「ドローン」を建設現場で活用する動きが広がっています。

 

ドローンとは

飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船などの機器で、人が乗らずに遠隔操作又は自動操縦によって飛行するものがドローンです。
官邸に落ちたり、お祭りで落下したりするなど、良くない話題が先行していますが、建設工事の合理化に大きな期待が寄せられています。

 

測量業務への活用

ドローン鹿島建設は、3次元図面製作等を手掛ける企業と共同で、ドローンによる写真測量を利用して土量管理、工事の進捗管理を行うシステムを開発しています。

 

大規模造な成工事現場での切土・盛土工事では、工事の進捗管理のために現地形の測量を行い、土量の算出を行うことが不可欠です。
これまでは地上での測量を行っていたため、測量・図面化・計算の一連の作業に膨大な手間と時間を要していました。
3Dレーザー測量を行っても、現地計測作業には時間や設置箇所等の制約がありました。

 

そこで、ドローンの空撮により得られた写真データを3次元データ化し、これを3DCADソフトで読み込むことで、現地形平面図、縦横断図の作成や土量計算による工事の進捗管理を行うことができるようにしました。

 

約2haの範囲の空撮に要する時間は約10分程度で、写真を合成し3次元図面を作成するまでの所要時間が約4~5時間となりました。
空撮による測量なので、測量中も重機の稼働を止める必要がありません。

 

約28万点に及ぶ測定点のうち、90%以上の点で精度が±6cm以下の範囲に収まりました。
作業時間と作業人数を大幅に削減することができ、費用は5分の1以下となっています。
慢性化している建設現場の人手不足対策としても期待されています。

 

点検業務への活用

高度成長期に建設された多くの構造物が更新の時期を迎えており、特にトンネルや橋梁などの点検業務が増加しています。

 

構造物の点検のうち高所・難所での作業は、時間とコストがかかり、危険も伴います。
こうした業務にドローンを活用することで、業務の安全性を高め、作業を合理化することができます。

 

さらに、これまでで確認できなかった問題まで発見することもできます。例えば、煙突の老朽化状況の確認を安全かつ簡単に行うことができることも高く評価されています。

 

「広範囲・高所・難所」がドローン活用のポイントといえます。

 

課題となる人材の育成

ドローンを正確に飛ばすにはGPSを使いますが、橋脚の下や煙突の中などではGPSを使うことができず、操縦が難しくなります。
このような環境で正確にドローンを操作するには高度な技術が求められます。

 

また、ドローンは人が作業しているエリアを飛行しないこと、工事現場の上空をはみ出さないこと、そして絶対に墜落させないことが大切です。
熟練パイロットは、飛行ルート、GPS信号、風速、バッテリー残量など、細心の注意を払って操作を行っています。

 

ドローンの活用拡大に伴い、パイロットやメンテナンスエンジニアの育成が必要になっています。

 

ドローンの飛行ルール

ドローン活用の広がりを受けて、平成27年12月から航空法の一部が改正され、無人航空機の飛行ルールが新たに導入されました。

 

このなかでは、飛行の禁止区域や飛行の方法などについて新たに定められています(図表-1、2)。
明確なルールが決まった事により、さらにドローンの活用が広がることが期待されています。

 

図表-1飛行の禁止区域

 

図表-2承認が必要となる飛行の方法

 

【用語解説】

3Dレーザー測量

3Dレーザーとカメラで、地形の3次元座標データと写真データを取得し、図面に変換することができます。

 

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