建設業の人手不足解消策 ~外国人労働者への期待~ | 建設・設備求人データベース

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建設業の人手不足解消策 ~外国人労働者への期待~

2014年04月02日

東日本大震災の復興事業、アベノミクスによる公共投資の拡大、住宅着工戸数の回復などにより、建設業の人手不足が顕著になっています。

 

人手不足の現状

建設業就業者数は平成9年の685万人をピークに減少を続け、平成24年には503万人となりました(図表-1)。

 

       出典:厚生労働省・国土交通省「当面の建設人材不足対策

 

その結果、建設業界における労働力不足は平成6年以来最悪となっています。平成25年11月の厚生労働省の調査では41%の建設業者が作業員不足を訴えています。2020年の東京オリンピックに向けてさらに建設労働力が不足すると予想されています。

 

不人気となった建設業

人手不足の原因は、バブル崩壊後の建設投資額減少時期に、建設会社の倒産が相次いだことや競争激化により、労働条件が悪化したことなどです。

 

談合問題など社会的信用の失墜により若者の建設業離れという問題もありました。将来建設業に進むこと希望する若者が減少し、大学の建設系学科への入学者数は以前の2万人以上から1.5万人にまで減少しています。新卒者の建設業への入職も平成7年の7.8万人から半減しました。 

 

以前は、3K仕事と言われながらも賃金の高さが魅力的で多くの入職者がありましたが、現在は不人気業種となっています。

 

高齢化と技術承継の課題

このようなことから、平成24年には、建設業就業者のうち55歳以上が34%を占め、特に60歳以上は18%に上っています。一方で29歳以下の若年者は11%となっています。10年後には高齢者の大半が引退すると見込まれ、技術の承継が大きな課題となっています。
自治体の土木・建築職員も高齢化と人員減が進み、同様の問題を抱えています。

 

外国人技能実習制度への期待

建設業の人手不足解消策として、外国人労働者の受け入れ拡大が大きな話題になっています。現状の外国人技能実習制度を実質的に拡充し、最長3年間の受け入れ期間を2年延長したり、過去の実習生の再入国を認めたりするべきであるとして最終調整が進められています。

 

人手不足が深刻な農業や水産加工品の製造などでも、実習生は欠かせない労働力となっています。
しかし、この実習制度は、日本で習得した技能を本国の発展に役立ててもらう国際貢献が本来の目的です。実習制度を建設業の人手不足を補うために活用するのは、本来の趣旨と異なるという意見も強くあります。

 

外国人労働者受け入れ拡大の問題点

一時的に外国人実習生を受け入れても、言葉の壁や技術習得に時間がかかるなどの問題があります。
そもそも、外国人なら安い賃金でも働いてくれるだろうという期待を元にした制度の拡充ですから、受入数が増えると、人手不足で上がるべき賃金相場が上がらなくなる心配もあります。
そして、賃金水準の上昇が遅れれば遅れるだけ、日本人労働者の確保が難しくなります。日本の建設業界にとって本当に良いことなのか、検討する必要があります。

 

人材不足への対応

10代後半から30代前半で働かず学校にも通っていないニートは約60万人もいます。建設業界が行うことは、人手不足を外国人に頼るのではなく、労働条件を改善して若い人が働きたいと思う魅力的な建設業界に変えることです。これからは、女性の活用も大きなテーマです。

 

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