建築施工管理技士の求人が、都市圏、特に東京近辺で過去にない勢いで増えています。
背景にあるのは「改修工事」や「耐震化」の需要の高まりです。
「改修工事」や「耐震化」が進められるのには、2つの理由があります。 

1つは、アベノミクスが掲げる「国土強靭化計画」です。

現在の東京は、1964年の東京オリンピック開催に併せて一斉に整備された街が基盤になっています。それから約50年が経過した現在、補修・改修を加えてきているとはいえ、インフラ設備や建物を大きく見直さなければいけない時期を迎えています。現に、トンネル事故や首都高の老朽化など、古くなったインフラ問題がニュースで取り上げられるケースが増えています。
これに加えて、2011年の東日本大震災からの復興推進や、首都直下型地震・南海トラフ地震など想定される災害に備えた強い国づくりを早急に進める目的もあり、国土強靭化計画が掲げられました。

国土強靭化計画に伴う対策の一つに、幹線道路や災害時の緊急輸送道路の両サイドにある建物(緊急輸送道路沿道建築物)の耐震・改修工事が挙げられます。緊急輸送道路に面した建物が倒壊すると緊急時に役割を果たせなくなるため、今年改正された耐震改修促進法により、こうした建物には耐震診断と結果報告が義務付けられ、その結果が公表されるようになりました。都内には緊急輸送道路に面しているにもかかわらず、地震で倒壊する恐れのある建物が約1万棟あると推測されており、このような建物の耐震・改修工事の件数増加が見込まれているため、建築施工管理技士が必要とされているのです。

2つ目の理由は「東京の再開発」です。

数年前から大手町、有楽町、銀座、渋谷など、都内で再開発が盛んに行われています。再開発の場合、一旦古いビルを取り壊し、複数あった建築物のスペースに、最新設備と耐震機能を備えた1つの巨大な複合施設を建てるのが主流です。また、新しく建てる建築物だけでなく周辺施設も併せて工事を行うため、工事範囲は広く大きくなります。その分、人手も必要となりますので、建築施工管理技士の求人ニーズが高まっているのです。

それに加えて、有明、豊洲、月島、勝どきといった新興ベイエリアのマンション建設ラッシュも求人増加の要因です。都市再開発(市街地再開発事業)にかかわる事業には国や地方公共団体から補助金が出ることもあり、ディベロッパーなどによる不動産建設が相次いでいます。東京オリンピックに向けた臨海副都心エリアの再開発や地下鉄延伸に伴う駅開発などは、こういった流れに一層の拍車をかけるものと注目されています。
また、東京郊外や近県でも再開発を進める街は多数存在します。こうした再開発事業でも、特定の施設の建て替え・耐震化にとどまらず、街全体の住環境を整備したり、街ぐるみで省エネルギーを実現したりと大規模な再開発工事が進められています。

その一方、都内の既存のオフィスビルやマンションでも改修工事が盛んに行われています。
アベノミクスが追い風となって売上を伸ばした企業が不動産投資(J-REIT)に積極的に乗り出しており、潤沢な投資資金に下支えされた改修・修繕工事の件数が増加しているためです。
また、利益を上げている企業のなかにはロケーションの良いビルにオフィスを拡張移転するケースも増えており、こういったニーズに応えるべく、ビルや周辺施設も含めたエリアの再開発・改修工事が都内全域に広がっています。
 

このような状況を受け、ゼネコンやディベロッパー、またその系列の建物管理会社を中心に改修・耐震化工事の現場を管理する建築施工管理技士の求人数が大幅に増えているのです。

転職で年収アップが可能

このような状況を受け、ゼネコン各社は建築施工管理技士の採用に積極的に乗り出しており、資格保有者を採用するために好条件を提示する企業も少なくありません。
年収面で魅力的な条件を提示する企業も多く、ここ数ヶ月間で転職を決めた建築施工管理技士の方は、年収が平均で50~100万円増加しています。中には200万円アップした方もいるほど、建築施工管理技士の採用ニーズは高まっています。

大手企業への転職も可能

ゼネコン各社の採用ニーズが高まっている今なら、大手企業・安定企業に転職することも可能です。実際、下請クラスの建設会社から中堅ゼネコンや準大手ゼネコンへ、中にはスーパーゼネコンへ転職されるなど、これまでは転職が難しかった大手企業へ転職を成功させた方も多くいらっしゃいます。
大手企業・安定企業に転職することで、年収アップ福利厚生が充実した環境で働けるといったメリットはもちろん、大規模案件を手がけることができるようになるなどのメリットがあります。

勤務地を固定して働くことも可能

勤務地を固定したり、出張エリアを限ったりして働ける求人が増えているのも最近の特徴です。これまでの場合、全国展開しているスーパーゼネコン~中堅ゼネコンでは全国転勤は当たり前でした。しかし、各社の採用競争が激しさを増すなかで、勤務地の固定や担当現場エリアの限定といった、求職者の要望をくんだ地域限定社員の採用を行う企業が増えてきているのです。
また、地場ゼネコンでも採用は積極化していますから、「転勤はしたくない」「勤務時間を減らしたい」「年間通して自宅から通いたい」という方の選択肢も広がっています。
さらに、首都圏に本社を置くゼネコンが地方の支店で中途採用を行うケースもあります。この場合、首都圏の物価相場をベースに作られた給与水準のまま地元で働くことができますので、年収はキープしながら、「地元で働きたい」「Uターン転職したい」という希望を叶えることが可能です。
                                 

受注側から発注側に転職できるチャンス

ここまでは主にゼネコンへの転職する際のメリットを書いてきましたが、今なら、より上流の会社、つまり発注側への転職も可能です。ビルマネジメント会社やファシリティマネジメント会社、不動産ディベロッパーといった企業です。
こういった企業は就労環境が整っており、年収面でも恵まれています。
「より上流の仕事に携わりたい」「落ち着いて働きたい」「年収を上げたい」という希望をお持ちの建築施工管理技士の方には、おすすめの転職先と言えるでしょう。

建築施工管理技士の求人ニーズは非常に高く、給与、勤務地、働き方といったご希望に合わせて、様々な企業のなかから転職先を選ぶことが可能です。

建築施工管理技士の求人

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