局地の温熱環境に最適な改善対策を立案
清水建設は、8月10日、ヒートアイランド現象等の進行により都市の夏季屋外温熱環境が過酷化していることを踏まえ、「移動式の環境計測システム」を開発・実用化したことを発表した。
システムの概要
このシステムは、エリアの温熱環境を計測する「エリア計測車」と局地の温熱や風環境を計測する「スポット計測車」から構成。一定規模の地域において酷暑緩和策が必要な地点と、緩和策の提案に欠かせない原因の特定を支援するものである。
具体的に、「エリア計測車」は時速20~40キロメートル程度で走行しながら温熱環境を計測。温湿度、路面温度、日射量を連続的に計測し、かつ計測データをGPSの位置情報とリンクさせながら蓄積する。
その後、エリア計測データの中から、温熱環境が過酷な地点を特定。「スポット計測車」を電動車椅子に搭載し、地点の温熱や風環境、上下・左右・前後の日射(短波)あるいは、道路面や建造物の壁面等からの輻射熱(長波)による影響を、集中的に計測するという。
酷暑緩和策等を提案
実用化にあたっては、東京大学工学部都市計画学科の横張真教授と共同で、夏季に都心で計画されているマラソンコースの温熱環境計測を実施。
両者はその計測結果をもとに、マラソン競技者や観客が受ける熱的影響を把握し、必要な酷暑緩和策等を主催者などに提案していく予定である。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
清水建設 プレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release/2016/